日本目録規則(にほんもくろくきそく、英: Nippon Cataloging Rules、略称:NCR)は、図書館資料の目録を作るための規則で、日本国内の大部分の図書館が採用する標準規則である。青年図書館員連盟が刊行した『1942年版』(1943年刊行)に始まり、現在まで改訂が重ねられた。戦後からは、日本図書館協会目録委員会が編集を担当し、日本図書館協会より出版されている。

概要

30年以上に渡って使用されてきた『1987年版』は、基本的にカード目録を作成するためのもので、大きく分けて、資料を識別するための書誌的要素を記録する「記述」に関する規則と、目録カード(記入)の検索および排列に用いる「標目」に関する規則という二つの部分から構成されている。書誌記述の国際的な基準である「国際標準書誌記述(ISBD)」の区切り記号を採用する一方で、国際的な主流である「基本記入方式」は採用せず、「書誌階層」という日本独自の考え方を導入している。

2023年時点の最新版である『2018年版』は、目録をコンピュータのデータベースとして作ることを前提としており、従来の構成を大きく変えたものとなっている。1998年に国際図書館連盟が公表した「書誌レコードの機能要件(FRBR)」の概念モデルを基盤に構築され、国際的なデファクト標準になりつつあるResource Description and Access (RDA)(英語: Resource Description and Access)との相互運用性を担保した内容である。

刊行事情

『日本目録規則』(書籍)として日本図書館協会から出版されている。2023年8月時点での最新版は『2018年版』である。もっとも、過去の版を継続して使用している図書館も少なくない。

これまでに刊行された版は以下のとおりである。

  • 『日本目録規則1942年版』‐青年図書館員聯盟編、1943年刊行、英米合同目録規則1908年版に倣った内容
  • 『日本目録規則1952年版』‐日本図書館協会編
  • 『日本目録規則1965年版』‐パリ国際目録原則に従った「基本記入方式」を採用、洋書にも適用できる規則となった
  • 『日本目録規則新版予備版』- 1977年発行、明治期以降の和書のみを対象とした予備版、非基本記入方式の「記述ユニット・カード方式」を採用
  • 『日本目録規則1987年版』- 上記の新版予備版の本版、方式名が「記述ユニット方式」となった
  • 『日本目録規則1987年版改訂版』‐1994年発行
  • 『日本目録規則1987年版改訂2版』‐2001年発行
  • 『日本目録規則1987年版改訂3版』‐2006年発行
  • 『日本目録規則2018年版』‐2018年発行。日本図書館協会のウェブサイトにてPDF版が公開されている。

解説書

  • 日本図書館協会目録規則解説委員会 編『日本目録規則解説』日本図書館協会、1954年。  - 日本目録規則1952年版の解説書
  • 岩淵泰郎 編『日本目録規則1965年版実例集』日本図書館協会、1971年。  - 日本目録規則1965年版の目録カード実例集
  • 柴田正美 編『和書目録法入門』日本図書館協会〈図書館員選書 8〉、1995年。ISBN 4820494279。  - 日本目録規則1987年版の解説書
  • 木村麻衣子 編『『日本目録規則2018年版』入門』日本図書館協会目録委員会、日本図書館協会〈JLA図書館実践シリーズ 47〉、2022年。ISBN 9784820421139。  - 日本目録規則2018年版の解説書
  • 蟹瀬智弘『NCR2018の要点解説:資源の記述のための目録規則』樹村房、2023年9月。ISBN 9784883673834。 

脚注

関連項目

  • 日本十進分類法(NDC)
  • 基本件名標目表(BSH)
  • 図書目録
  • 資料組織論

外部リンク

  • 日本図書館協会>目録委員会
  • 日本目録規則2018年版

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日本目録規則 JapaneseClass.jp

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